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2018-02-09

西表島ジャングルでヒルの大群に襲われた!

西表島って、どんなとこ?

沖縄、八重山諸島にある西表島は、島の約90%が亜熱帯の原生林に覆われている。

イリオモテヤマネコをはじめとする貴重な動植物が生息し、マングローブの林がいたるところにある。

前の年に中米コスタリカのジャングルを訪れたオレは、そのとき、日本にも亜熱帯のジャングルがあることを知り、いつかこの西表島を縦断するように走るジャングルトレイルを単独で走破してみたいと思っていた。 

トレイル上にはカンビレーの滝やマリユドゥの滝といった美しい見所があり、途中から遊覧船に乗ることによって、島の端から端までを縦断することができるらしい。

トレイルの長さは約16キロ。

走破するのに9時間はかかるらしいので、オレは途中テントで一泊することにした。

テント泊といっても、いつもの山旅とは違い、山小屋やテント場といった整備された施設は一切なく、ジャングルの中に空き地を見つけて勝手にテントを張るしかない。

トイレや電気、水道が無いのは当然だし、途中の食糧調達などまったくもって不可能だ。

うっそうと茂った亜熱帯のジャングルは昼でも薄暗くて展望がきかず、オバケのような巨大なシダ類や極彩色のキモ悪いムカデを始めとして、あやしい生き物がいっぱいいる。

もちろん猛毒のハブも!

そんな中をかろうじて一本のトレイルが走っているわけだが、もしも一歩でもその道を踏み外して迷子にでもなった日にゃあ、もうオダブツだ。

白骨化したまま見つからず、永遠に世界から忘れられた存在に・・・

なぁ~んて事になる。

現にジャングルに入ったまま、行方不明になった者もけっこういるらしい。

そんなアブないところに、テントと寝袋担いで、ガイドもつけずにたった一人のこのこ出かけた、実にムボウなオレであった・・・(今は単独での入山は固く禁じられています)

まず、オレはヒコーキで石垣島に降り立ち、地元のスーパーで食糧や燃料を調達した。

いよいよジャングルの縦断道へ

翌日、船に乗り換えて、西表島の南端にある大原港に入港。

港から、住宅街を抜け、長い林道をひとりトボトボと歩いた。

日が暮れてきたので、とりあえず林道脇の東屋のような所でテントを張って一泊。

翌朝、いよいよジャングルトレッキングを開始した。

道を見失わないように、ハブに出会わないように祈りながら、うっそうとした原生林の中をひたすら歩いた。

ふだん山を歩いていると、しばしば他の登山客とすれ違うものだが、このジャングルの中では、誰一人として出会うことがない。

時には崖のようなところをロープをつたって滑り落ち、ゴーゴー流れる沢を腰近くまで水につかりながら横断した。

こりゃ、まるで探検隊だ。

夕方ごろ、ようやくテントを張れそうな空き地にたどり着いた(第2山小屋跡)。

日も暮れてきたことだし、今晩はここらで眠るとするか…

テントにもぐりこんでフゥ~ッとひと息。雨具を脱いだ時のことだった。

ヒルの大群に襲われる

なんじゃい!こりゃあ~ああっ!

血!血!血!!!!!!

オレの全身あちこち血だらけじゃあぁないか!

いったいこれは何だ!なんなんだ!

よ~く見ると小さな黒い物体が無数にオレの肌にまとわりついている。

ひっ、ひっ、ひっ・・・ヒルだぁあああっ!

オレはもう発狂しそうになって、のたうちまわりながら身体中のヒルをむしり取り、テントの通気孔から次々と外へ投げ捨てた。

十匹、二十匹・・・いや軽く三十匹以上はいただろう。

おまけに、ヒルが食らいついていたのは足や腕だけではない。

背中にも、首筋にも、そしてオレの大事な大事なアノ部分にまで・・・

「どうしてくれる!おヨメに行けないじゃあないか!」

そんなこんなでヒルと格闘すること1時間あまり。

ようやくすべてのヒルを外へ投げ捨てた後は、テントのジッパーを硬く閉ざしたまま一歩も外へ出ず、ヒルの大群にテントを取り囲まれる悪夢にうなされながら眠れない夜を過ごしたのであった。

翌朝、すっかり意気消沈したオレは、「もうジャングルなんてコリゴリだ…」と、もと来た道をそそくさと戻り始めた。

もちろん帰り道もヒル軍団は情け容赦なく襲いかかってきた。

昨日はまったく気づかなかったが、岩の上をよ~く目を凝らしてみると、いるわいるわ、ヒルちゃんたちの群れが・・・

みんな糸のような細い身体をいっせいに立ち上げて、ユラユラ揺れながら、おいでおいでをしてるもんね。

「ひぇ~!」

オレは、もう一目散に駆けながら、ジャングルを脱出した。

ようやく西表島を後にして、石垣島のビジネスホテルの一室に転がり込んだ時のこと。

3日ぶりに風呂に入ろう、と温かいバスタブに身をうずめ、

フゥ~~と吐息を洩らしたとたん・・・

お湯の上に、ヒルちゃんが一匹プカリ、さらにもう一匹プカリ・・・

ひぇぇええ~っ!

今度は、ホテルの中に、オレの叫び声がこだましたのであった。

(おしまい)

西表島の思い出をこんな絵に描きました。

→ 奧村ユズルの作品はコチラから

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