画家、ボルネオ島へ行く(2)コタキナバルからブルネイへ船で移動する
ブルネイへの行き方には3つある
コタキナバル空港の固いベンチの上で、オレはボルネオ島最初の朝を迎えた。
始発のシャトルバスを待っていると、ブルネイ行きの高速船に間に合わないので、仕方なく、空港からタクシーで港へ直行することにした。
コタキナバルからブルネイへ行く方法は、主に3つある。
①ヒコーキで一気にひとっ跳び!
→ コレがいちばん早い。約40分。でも当然のことながら、いちばん高い。片道5000円弱。
②高速船を乗り継いで海沿いに渡る
→ 港から入国!なんて、聞いただけでちょっとソソられる。一度ラブアン島というマレーシア領内の島で乗り換える必要があるので、乗り換え待ちの時間を含めると約6時間半(乗船している時間だけだと約4時間)。これでもヒコーキの次に早い。料金の方は片道2000円ちょっと。
③バスで陸路をちんたらちんたら
→ 「ちんたら」とはどこかの方言でのんびりという意味。約8時間と、いちばん時間がかかる上に、マレーシアとブルネイの国境は複雑に入り組んでいて、何度も国境を渡らなければならない。時間がかかるのは、距離の問題だけではなく、出入国審査を何度も繰り返す必要があるかららしい。料金は片道約2700円。
ビンボー人のオレには、まず①は論外。
行きと帰りが同じルートだと面白みに欠けるので、行きは②で、帰りは③の方法を選択することにした。
、、、ってなわけで、オレは、その日のうちにブルネイ入りするべく、空港からタクシー飛ばして、無事に朝8時発の船に乗った。
洋上で揺られること約3時間、まずはラブアン島に上陸。
ラブアン島はまだマレーシア領だが、タックスヘイブン(租税回避地)として有名な島。
町中をぶらぶらすると、あちらこちらに、「TAX FREE」の看板が。
税金がかからないので、モノが安く、ブルネイ人もわざわざ買い物のためにこの島を訪れるらしい。
お腹がすいたので、ぶらりと食堂に立ち寄ってラクサを食べる。ココナッツ味が効いていてGOOD!
ブルネイ王国へ入国
ラブアン島からは、高速船に乗り換え、約1時間でブルネイ王国着。
海の国境を越えたことになるので、港では一応、入国審査と税関がしっかり行われた。
でも、事前に思い描いていたのと違い、ブルネイ入国は意外とあっさりしたもんだった。
実は、オレは、もっとドラマチックな入国シーンを想像していたのだ。
船のデッキで、潮風を頬にあびつつ、遥か海原の向こうに見える陸地を葉巻くわえて眺めながら、
「あれがブルネイの港か、、、」
と低く呟く、、、なぁ~んて言うような。
ところが、どうだ。
この高速船とやらは、デッキの上で呟こうにも、デッキなんて無いではないか。
潮風を浴びたくても、一切外へは出られないし。
だいいちオレはタバコ吸えないし。
乗客は、まるで飛行機の中のような狭い座席にがんじがらめになり、汚れてくぐもった小さな丸窓から、かろうじて外を眺めるだけ。
高速船というのは、速いだけで、ロマンもへったくれもない。
ブルネイの港に着いたあとは、タクシーとバスを乗り継いで、日が傾く頃、オレは、ようやくブルネイ王国の首都バンダルスリブガワンに到着した。
ブルネイの首都って?
ところで、みなさんはブルネイ王国の首都が、バンダルスリブガワンってこと知ってました?
オレはこの旅行まで、バンダルスリブガワンなんて聞いたこともなかったし、いまだに噛まずにこの首都の名前を言えない。
それもそのはず、ある信頼できる調査機関がリサーチしたところによると、ブルネイ王国の首都を知っていた日本人は1000人中、わずか5人。
しかも噛まずにこの首都の名を言えた人は、5人中3人だったらしい。
な~んて言うのは真っ赤なウソだけど、実際はそんなもんだろうと思う。
アナタ、ブルネイ王国の首都、知ってました?