粘土でフィギュア造りに挑戦してみた
粘土に触るのは、高校の美術の授業以来
突然、造形がしたくなった。
キッカケは、ごく些細なことだ。
自宅近くにあってよく立ち寄っている静岡県立美術館で、「ロダンウィーク」(この美術館のウリは、「地獄の門」や「考える人」が置いてあるロダン館で、年に一度ロダンウィークというアートフェスが開催される)が開催されていて、美術館へと続くプロムナードに、ふだん見慣れない奇妙でカラフルな怪獣?がいくつも展示されていたことだ。
それを見ているうちに、オレは、自分の描くヘンな人シリーズを立体作品にしてをみたくなった…というわけだ。
そういえば、「オレの絵のファン」と勝手に名乗るファンクラブ第一号?の女性が、ヘンな人シリーズをこんな人形に仕立てて写真を送ってくれたこともあったっけ。
これはなかなかのもんじゃない?
ますますヘンな人を立体化したくなった。
ところで立体作品…といっても色々あるらしい…何かを「彫る」のか、あるいは粘土などを「盛る」のか?
何しろ高校の美術以来、オレはそういうモノを造ったことがないので、いったいどうすればいいのかわからない…
とりあえず石塑粘土でもやってみよ
…で、図書館で木彫の本を借りてきたり、ネットでFRPや粘土を使った造形について調べてみたりした。
ホントはでっかい丸太でも手に入れて、それをチェンソーでバリバリ削って、ヘンな人をワイルドで巨大な彫刻にでも仕立てたいところだが、アパート住まいの身にしては、そんな広いスペースは無いし、だいいち近所迷惑だし。
まぁ、最初はとっかかりとして一番手軽にできる石塑粘土でガマンしよう。
石塑(せきそ)粘土とは、石粉(せきふん)粘土とも呼ばれ、石を粉状にしたものが原料の粘土。
乾いた後にやすりをかけて削ったり、細かい表現をしたり、カラフルな色をつけたりできるので、フィギュア作りやハンドメイドのアクセサリー作りなどにもよく使われているらしい。
オレは、さっそく石塑粘土の中でもポピュラーな「ラドール」という商品をアマゾンでポチってみた。
ついでにダイソーに寄って、芯材となる発泡スチロールやら針金やら紐やらを購入。
ダイソーで買ったブロック型の発泡スチロールが、ちょうど人形(ひとがた)を造る際の、胴体部分に使えそうだ。
それに板状の発泡スチロールを切り抜いて造ったアタマ部分や手や足を針金やら紐やらボンドやらで接合させたら、だんだんとオレの描く「ヘンな人」っぽくなってきたではないか!
これに石塑粘土を盛り付けていった。
オオッこの粘土の感触!懐かしい!高校の美術の時間以来だ。
盛り付けが終了すると、こんな感じに。なんとなくヘンな人に近づいてきたぞ。
フィットネスクラブのヘンな人を造る
造形化第一号として試みたのが「フィットネスクラブのヘンな人」。原画はコチラである。
原画を参考に、だんだんカタチをととのえていく。
絵を描くのとは違って、3Dなので、見えていない部分をどう造り込もうか?と悩むが、そこが造形の楽しみでもある。
…で、こんなカンジに出来上がった。
一週間ほど乾かすと、今度は色塗りだ。
ジェッソを二度塗りして、絵の具のノリを良くした後、いつも使っているホルベインのアクリルガッシュで塗っていった。
なんか、だんだんと楽しくなってきたぞ!
色つけ完成!
なかなかイイカンジじゃないの!
実は並行して、第二号の「縞スカートのヘンな人」の造形化も進めていたので、二人並べるとこんなカンジになった。
仕上げニスを二度塗りして、ついにヘンな人シリーズを立体化するプロジェクト第一弾が完了した。
引き続き、並行して進めていた第二号の「縞スカートのヘンな人」も完成。
原画の前でパシャリ!
こうして並べてみると、平面作品より立体作品の方が、「ヘンな人度」が数倍パワーアップしていることに気づく。
二人並べるとこんなカンジ。左をバーバラ、右をベロニカと名付けた。
人形というのは、手で練ってこしらえているうちに、だんだんと感情移入してきて、名前を付けて呼びかけたくなるので不思議である。
深夜、一人で粘土をこねながら、「バーバラちゃん!」とか「ベロニカちゃん!」とか独り言をつぶやいているので、家族には、オレ自身が相当「ヘンな人」に思われているらしい…
最後に、バーバラとベロニカの後ろ姿をパシャリ!
二人の背中には、それまで歩んできた人生?を感じさせる、なんとも言えぬ哀愁が漂っているではないの?
すっかりハマってしまった粘土造形。
これからもジャンジャン造っていきます!