toggle
2019-12-13

口裂け女を描く

岐阜市は、口裂け女伝説の発祥の地

岐阜城がそびえる金華山の麓を清流長良川が滔々(とうとう)と流れる町、岐阜市。

戦国時代、「蝮(まむし)の道三」と言われた斎藤道三が築き、織田信長が後に居城とした岐阜城(稲葉山城)から眺める景色はご覧のように雄大です。

そんな岐阜は、実は「口裂け女発祥の地」としても有名です。

口裂け女は、1979年から1980年にかけてまたたく間に日本中に広がり、当時の人々を恐怖に陷れた「都市伝説」。

実際に福島県郡山市や神奈川県平塚市ではパトカーの出動騒ぎがあったり、釧路市や埼玉県新座市では集団下校が行われたりと、当時全国にある種の社会パニックを引き起こしました。

そんな口裂け女ですが、後には映画化されたりと、今では貞子などとともにすっかり日本のオカルトスターとしての地位を確立しました。

話は変わりますが、私めの故郷は岐阜県(…といっても岐阜市ではなく多治見市ですが)。

岐阜人としては、岐阜の誇る大スター?口裂け女を描かないわけにはいかない…と、ある夏、岐阜市にある口裂け女をテーマにしたお化け屋敷を訪ねることにしました。

口裂け女をテーマにしたお化け屋敷

ここが岐阜市の古くからの繁華街、柳ケ瀬通りにある口裂け女のお化け屋敷。

かつては劇場だった建物を、地元のまちおこしに携わる有志の人たちが改築し、期間限定のお化け屋敷としてプロディース。

私の訪れたこの年(2015年)は3度目の開催でした。

このお化け屋敷、東海地方ではTVやマスコミ報道で、ちょっとした話題になっているだけあって、入り口はすでに入場を待つ人たちで賑わっていました。

「さて、入場券はどこで買えるのかな…」

…と、後ろに何やら人の気配がしたので、振り返ってみると、

おおっ!ビックリ!口裂け女がいるじゃん!

なんと、お化け屋敷を抜け出しての、観客サービスのようです。

この口裂け女、気軽に写真撮影に応じてくれますが、ニコリともしないのはさすが。演技が際立っています。

入り口には、ヘンな神社らしきものまであります。

どうやら口裂け女の「口」の部分をを奉納したもののようです。

ここから先は残念ながら、「写真撮影禁止」ということで、お見せできませんが、このお化け屋敷なかなか怖かったです。

昭和の時代の柳ケ瀬の商店街の賑わい…という舞台設定ですが、雰囲気がよく再現されていました。

そこに突如どこからともなく出現する口裂け女!

いや〜衝撃的でした。インスピレーションを掻き立てられました。

これは、口裂け女を描くっきゃあない!

そんな思いにとらわれました。

ちなみに、この口裂け女のお化け屋敷は、その後も不定期で開催されているので、興味のある方はこちらをどうぞ。

岐阜 柳ケ瀬お化け屋敷「恐怖の細道」公式ブログ

口裂け女にとりかかる

ショックが冷めぬうちに、さっそく取り掛かることにしました。

まずは小さな紙におおよその完成イメージを描きます。

さて、ここからが本番。

使用した画材は、30号のカンバスにホルベインのアクリル。

以下、タイトル「口裂け女のバラード」の制作過程です。

30号Fカンバスにジェッソを2度塗りした後、砂を混ぜた赤系の絵の具で下塗り。
下塗りが終了。砂を練り込んだので表面がザラザラしています。
輪郭線から描き始めます。
少しずつ絵の具を塗り込んでいきます。

だいたいの構図が出来上がりました。
特に顔の部分は何度も絵の具を塗り重ね深みを出していきます。
だんだんイイ感じになってきました。
完成。下の部分に左から始まる口裂け女のストーリーを描きました。
関連記事
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。