口裂け女を描く
岐阜市は、口裂け女伝説の発祥の地
岐阜城がそびえる金華山の麓を清流長良川が滔々(とうとう)と流れる町、岐阜市。
戦国時代、「蝮(まむし)の道三」と言われた斎藤道三が築き、織田信長が後に居城とした岐阜城(稲葉山城)から眺める景色はご覧のように雄大です。
そんな岐阜は、実は「口裂け女発祥の地」としても有名です。
口裂け女は、1979年から1980年にかけてまたたく間に日本中に広がり、当時の人々を恐怖に陷れた「都市伝説」。
実際に福島県郡山市や神奈川県平塚市ではパトカーの出動騒ぎがあったり、釧路市や埼玉県新座市では集団下校が行われたりと、当時全国にある種の社会パニックを引き起こしました。
そんな口裂け女ですが、後には映画化されたりと、今では貞子などとともにすっかり日本のオカルトスターとしての地位を確立しました。
話は変わりますが、私めの故郷は岐阜県(…といっても岐阜市ではなく多治見市ですが)。
岐阜人としては、岐阜の誇る大スター?口裂け女を描かないわけにはいかない…と、ある夏、岐阜市にある口裂け女をテーマにしたお化け屋敷を訪ねることにしました。
口裂け女をテーマにしたお化け屋敷
ここが岐阜市の古くからの繁華街、柳ケ瀬通りにある口裂け女のお化け屋敷。
かつては劇場だった建物を、地元のまちおこしに携わる有志の人たちが改築し、期間限定のお化け屋敷としてプロディース。
私の訪れたこの年(2015年)は3度目の開催でした。
このお化け屋敷、東海地方ではTVやマスコミ報道で、ちょっとした話題になっているだけあって、入り口はすでに入場を待つ人たちで賑わっていました。
「さて、入場券はどこで買えるのかな…」
…と、後ろに何やら人の気配がしたので、振り返ってみると、
おおっ!ビックリ!口裂け女がいるじゃん!
なんと、お化け屋敷を抜け出しての、観客サービスのようです。
この口裂け女、気軽に写真撮影に応じてくれますが、ニコリともしないのはさすが。演技が際立っています。
入り口には、ヘンな神社らしきものまであります。
どうやら口裂け女の「口」の部分をを奉納したもののようです。
ここから先は残念ながら、「写真撮影禁止」ということで、お見せできませんが、このお化け屋敷なかなか怖かったです。
昭和の時代の柳ケ瀬の商店街の賑わい…という舞台設定ですが、雰囲気がよく再現されていました。
そこに突如どこからともなく出現する口裂け女!
いや〜衝撃的でした。インスピレーションを掻き立てられました。
これは、口裂け女を描くっきゃあない!
そんな思いにとらわれました。
ちなみに、この口裂け女のお化け屋敷は、その後も不定期で開催されているので、興味のある方はこちらをどうぞ。
岐阜 柳ケ瀬お化け屋敷「恐怖の細道」公式ブログ
口裂け女にとりかかる
ショックが冷めぬうちに、さっそく取り掛かることにしました。
まずは小さな紙におおよその完成イメージを描きます。
さて、ここからが本番。
使用した画材は、30号のカンバスにホルベインのアクリル。
以下、タイトル「口裂け女のバラード」の制作過程です。