2018-12-23
タイ旅行記(1)バンコクでタイ式マッサージとムエタイを楽しむ
旅のはじまり
オレたちは、とある8月のアツい夜、
もちろんホテルの予約なんてしていない。
…っていうか、
したがって、いつもホテルは行き当たりばったり。
時に「宿無し」になるのも覚悟の上だ。
…で、バンコク到着最初の夜は、
「空港のホテルは高い」
今回の旅にゃあ、珍しく相棒がいる。
Mという男だ。
Mは、脳性マヒの障害者である上に、海外旅行は初めて。
車椅子には乗っていないが、歩行が常にフラフラしていて、段差があると今にもコケそうで実に危ない。
ホントに大丈夫か?
タイの首都バンコクを遊び倒す!
オレたちはタイ最初の朝を、空港の硬いベンチの上で迎えた。
「ウウウッ、背中が痛い…」
おまけに、空港内は冷房がガンガンに効いていて、
オレたちは、深夜に何度も起きて、“暖をとる”ために、一時間おきに空港の外に出る始末であった。
外に出りゃあ熱帯夜みたいに暑いし、中に戻りゃあ冷蔵庫みたいだし…
これじゃ、とても眠れたもんではなかった。
それでもオレたち二人は、眠い眼をこすりながら、最初の日からタイの首都バンコクを遊び倒した。
まず、タイ名物水上マーケットだ。
小舟に乗り込み、両側に民家が立ち並ぶ狭い水路を通り抜けると、野菜やら土産物などを満載した商船がひしめき合う水上の市場(マーケット)に出た。
商魂たくましいタイのおばちゃんパワーに圧倒されながらも、オレたちはフルーツを積んだ舟から大きなドリアンをひとつ購入した。
ここでは売るのも買うのもすべて舟の上。
日本では見られない珍しい光景に、オレたちはコーフンした。
水上マーケットのあとは、とある寺院の一角で行われているタイ式マッサージだ。
ここでもタイのおばちゃんパワーが炸裂!
ベッド上に座るオレの身体を後ろから羽交い絞めにして、右へぐいぐい、左へぐいぐい。
「痛い、痛い、イタタタっ! OH!NO!プリーズ!」
いくら英語と日本語ちゃんぽんで叫んでも、おばちゃんは情け容赦なくオレの身体を折り曲げる。
でも最初は痛かったけど、次第に筋肉がほぐれて気持ち良くなったのか、知らず知らずの間にオレは寝入ってしまった。
おばちゃんに
パシャリ!
と背中を叩かれハッと目が覚めると、すでにマッサージは終わっていた。
バンコクを遊び倒す企画の最後は、夜のムエタイ(タイ式キックボクシング)観戦。
オレたちがスタジアムに到着すると、場内はもの凄い熱気につつまれていた。
狭いリングを囲んで、札束を握りしめ何やら叫びまくる男たち。
そうなのだ。
ムエタイはギャンブルの一種なのだ。
ギャンブルとなると男たちの熱狂は当然のごとくヒートアップする。
金網の向こうには男たちが文字通り札束片手に群がり雄叫びを上げている。
「オイオイ、そんなに押すと金網が破れるぜ…」
試合の方はと言えば、通常のボクシングに加えて、回し蹴りに膝蹴りといった激しいキックの応酬が加わり、こちらも圧巻の大迫力であった。
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