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2018-03-31

英国パブ「走る従者」

私は、今は酒をまったく飲めない性質(たち)だ。
 
しかし、かれこれ、もう20年以上も前のこと。
 
イギリスに1年近く滞在していた頃には、仕事帰りにしばしばパブに立ち寄り、
 
ハーフパイント(約280mlのエールやギネスを軽く一杯ひっかけたものであった。
 
 
私はそのとき、ロンドンから北西に車で1時間ぼどところにあるミルトンキーンズという町の福祉コミュニティでボランティアとして滞在していた。
 
近くには3軒の、パブがあり、交互に足を運んだ。
 
パブ(public house=公共の家、の略)というのは、日本でいえば居酒屋、赤ちょうちん、といった大衆酒場である。
 
パブに入って、グラス片手にぐるりとあたりを見渡せば、、、
 
立ったままカウンターで何やら口角泡を飛ばして議論する地元のオジサンたち。
 
隅の小さなテーブルにはひっそり肩を寄せ合う男女。
 
反対側にはダーツに興じる若者たち、、、

 

 

パブは英国社会を垣間見るには、まさに格好な場所であった。

 
 
当時の私の行き着けであった3軒のパブの名前は?と言うと、以下の通りである。
 
①Eager Poet熱心な詩人
 
②Ship Ashore岸辺の舟
 
③Blacksmith’s Arm鍛冶屋の腕
 
どうだろう?どれも一癖ありそうな、実に奇妙な屋号ではないだろうか?

 

おそらく何か理由や云われがあってそうした屋号にしたに違いない。

 

何やらいろいろと想像力をかき立てられやしないだろうか?

 

今思えば、あの当時、屋号の由縁とやらを店員に聞いておくべきだったとつくづく悔やまれる。

 

この3件に限らず、英国パブには実に個性的な屋号のものが多い。

私は、パブの絵も多く描いている。

 

 

 

この絵のモデルとなった「走る従者」もそうした部類で、ある日ロンドンを歩いていてふと目にとまったパブである。

 

そのユニークな屋号が記憶に残り帰国後、名前だけを拝借して、このような絵を描いてみた。

 

建物の形はイメージで作ったので実際にこの絵のようなパブであったわけではない。

 

今はたいへん便利な時代なので、Googleで検索してみたら確かにロンドンのメイフェアーに「The Only Running Footman」というパブがあった。

 

私の記憶に若干間違いがあったようで”the only”がついていた。

 

う~む、「たった一人の走る従者」か、、、実に不可解な屋号だ。

 

ますます興味が沸いてきた。

 

今度ロンドンへ行ったら、ぜひこのパブへ足を運んで、定員にその由来について聞いてみようと思った。

 

 

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