画家のポルトガル旅行記2リスボンの街であわや宿無し?
アルファマ地区に宿を確保する
当初宿泊を予定していた、リスボン市内のアパートメントのオーナーから、あろうことか当日の昼にドタキャンのメールが!
なんと、オーナーがオーバーブッキング、つまり過剰に予約を受け付けていたのだ。
我が一家5名は、年の瀬を迎えるリスボンの街で、突然、「宿無し状態」に追い込まれてしまった。
それから数時間、スマホとにらめっこして、必死に探し回って、ようやく見つけた宿がコチラ。
スタールームズ・リスボン。
それは、リスボンの旧市街アルファマ地区の入り組んだ古い町並みの一角、石畳の坂道の途中にあった。
宿の目の前を、時おり市電が歩道スレスレにギシギシ音をたてて通り抜ける。
まわりには八百屋や雑貨屋がひしめき、建物の軒先には洗濯物がぶら下がっている。
町のいたるところに庶民生活の香り?がプンプン漂う、いかにもリスボンの下町らしい界隈だ。
限りなく民泊に近い宿
ところで、私たちが泊まることになったスタールームズ・リスボン(Stars Rooms Lisbon)は、宿と言ってもホテルではない。
オーナーが自分の所有する部屋の一室を旅行者に貸す、つまり「民泊」の一種である。
キッチン、トイレ、バスはすべて共同で、同じフロアには、私たち以外にも、様々な国籍の旅行者や生活者がこの建物内に雑多に生息していた。
ホテルとは違い、フロントがあって受付嬢や係員がいるわけではない。
宿のオーナーとのやりとりはメールのみである(結局オーナーは最後まで姿を現さなかった)。
私たちが、最初に宿に到着してみると、表のドアは鍵がかかったまま。
ブザーをいくら鳴らしても、まったく反応なし。
オーナーに「早く玄関を開けてくれ~」とメールを出すものの、こちらも返事がない。
なすすべもなく、ドアの前で1時間ほど待つ。
やがてインド系のおばあちゃんがパジャマ姿であらわれて、中から鍵を開けてくれた。
このインド系のおばあちゃん、どう見ても従業員ではなさそうだし、旅行者でもなさそう。
このアパートの別の階に居住する住民で、どうやらオーナーから頼まれて、哀れな宿無し旅行者のために鍵を開けてくれたみたいだ。
このおばあちゃん、親切心からかキッチンのコンロの使い方を手振り身振りで一生懸命教えてくれようとしたのだが、結局は自分も使い方がわからず、まったく用を成さなかった。
私たちと同じフロアには、他には韓国人らしきカップルや赤ちゃん連れの白人家族もいた。
一方、二階の妻の両親の部屋のフロアには、やはりインド系の青年と日本人夫婦(ドイツに住んでいてリスボンに旅行に来たらしい)。
いったい誰が居住者で、誰が旅行者なのか? はたまた、誰がポルトガル人で、誰が外国人なのか?
あまりに雑多過ぎてまったく不明だ。
まぁ、とりあえず、年を越す宿だけは何とか確保できたので、良しとしよう。
夕食はネパール料理?
ひと安心したら腹が減ったので、今夜の夕食は、宿の前の坂を10分ほど登ったところにある、ネパール料理店へ行くことにした。
何故、ポルトガルまで来てわざわざネパール料理かって?
それは単に近くに手頃なポルトガル料理店がなかったから。
アルファマ地区は坂ばかりな上に、古い石畳の道はゴツゴツして実に歩きにくい。
こんな所で、同行の老親を長く歩かせて、転んで怪我でもされては大変だ。
でも、このネパール料理店、値段が手頃な上に結構美味しくて、結果的には大正解。
後から知ったが、トリップアドバイザーでも高評価だ。
アルファマ地区へ行く人にはオススメしたい。