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2019-03-17

画家のポルトガル旅行記1リスボンから中世の町オビドスへ

なぜポルトガル?

2018年から19年にかけての恒例の年末年始旅行は、義理の両親の強いリクエストに応えて、ポルトガルのリスボンに行ってきた。

そもそも、なぜにポルトガル?なぜにリスボン?

義理の両親は、「火宅の人」などで有名な無頼派の小説家、壇一雄の大ファン。

彼が一時期を過ごしたポルトガルという国をいつか旅してみたい…という願いを長い間、心に抱いていたらしい。

それに加えて、義父の年齢(82歳)からすると、どうやら今回が彼らにとっての最後のヨーロッパ旅行になりそう。

「ユーラシア大陸最南端のロカ岬に立つことで、ヨーロッパ旅行の幕を閉じたい…」と、言うのだ。

リスボンへGO!

旅のメンバーは、私たち3人家族に義理の両親、総勢5人。

航空会社は、いつものアエロフロート。

成田を経ったのは12月28日。

途中、モスクワ空港で乗り換えた。

機内から外へ出されて、ターミナルへ向かうシャトルバスが来るまでの間、氷点下の中、凍えながら立って待つはめに。

さすがモスクワ空港!

少々たいへんな思いをしたけど、深夜近くにようやく無事リスボンに到着した。

そこからタクシー拾って空港近くのホテルに移動。

こちらは総勢5人なので、タクシー2台に分乗したのだが、ホテルに着いてみると、私の乗った方は10ユーロ支払ったのに対して、妻と義理の両親の方は何と倍の20ユーロを支払ったと聞き、

「オイオイ、ちょっと待った!」

…と、今にも立ち去ろうとする若い兄ちゃん運転手に詰め寄る。

ジェスチャーを交えて、 「そりゃ、ないだろう!」 と、文句を言ったら、その兄ちゃん、すごすごと10ユーロ返してきた。

危ない危ない、あわやボッタくられる所だった。

でも、「デヘヘ、バレちゃった、、、」とでも言いたげな、バツの悪そうな兄ちゃんの顔を見ていたら、なんとなく、

「ポルトガル人って憎めないな、、、」という気分になってきた。

ポルトガル人はヨーロッパ諸国の中にあっては、とびっきり素朴で人柄が良いことで知られている。

そのせいか、ぼったくりタクシードライバーであっても、不思議と「イタズラ好きの悪童」程度にしか思えないのだ。

リスボンからオビドスへ

旅の1日目は、リスボンからバスで一時間かけて移動し、中世の町オビドスをぶらぶらした。

オビドスは、まわりをぐるりと古い城壁に囲まれた小さな城塞都市。

石造りの頑丈な門をくぐると、中にはカラフルな可愛らしい家々がぎっしりと立ち並んでいて、その多くが土産物屋だったり、カフェやレストラン、ホテルだったりと、とっても賑やか。

これがオビドスの目抜き通り

町を囲む城壁の上に立ってみれば、眼下には、はるかに広がるのどかな田園風景が。

ひととおり町歩きを楽しんだ後は、ジンジーニャというオビドス名物のサクランボのリキュールを試す。

ジンジーニャを軒先で売る店は、町のいたるところにあって、一口大の小さなチョコレートのカップに注がれ一杯1ユーロ(約130円)。

ジンジーニャを売るお店

甘くて口当たりが良いので、ふだんアルコールを口にしない私でも十分楽しめる。

でも、調子に乗って一杯飲んだら、意外とアルコール度数が高くて、すっかりほろ酔い気分に。

チョコレートで出来た小さなカップに入ったジンジーニャ

リスボンの宿からまさかのドタキャン!

ところが、そんなほろ酔い気分がイッキに覚めてしまう出来事が、オビドスからリスボンへ戻るバスの中で起きた。

何気なく、スマホでメールをチェックしてみると、ホテル予約サイトから一通のメールが。 そこにはこんな内容が書かれているではないか。

「あなたが今日から泊まることになっているアパートメントは、宿の主がオーバーブッキング(過剰に予約を受け付けること)してしまい、予約が取り消されました」

ななっ!なんと、今晩から連続3泊して年を越す予定の宿が、当日の昼になってドタキャン?

それはあり得ないでしょう!

私は胸の鼓動を抑えながら、これからチェックインする予定の宿に直接メールした。

「キャンセルは何かの間違いだよね?今から私達そちらへ向かうところだからね!」

すると宿の主からの返事はこうだ。

「申し訳ないが、もう私にはこの問題を解決するエネルギーが残っていない。」

「ホテル予約サイトに直接相談してくれ」

ヒェー!!!

ひとり旅ならまだしも、老人二人(妻の両親)に子ども(私の娘)まで連れた身で、いきなりの「宿無し」状態とは!!

それからの2時間というもの、妻と二人でスマホと睨めっこしながら、必死に今夜からの宿を探しまくった。

泊まれさえすれば、雨風さえしのげれば、もうどんなボロ宿でも構わない、、、

…で、何とか見つけた宿がコチラである。

アルファマ地区にある、限りなく民泊に近い宿。

たしかに、「泊まれさえすれば…」とは言ったけど、これは少々ヒドすぎた。

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