台北でウワサのあの包丁マッサージを受けてみた
日本のテレビでも紹介された包丁マッサージ
「台湾には、包丁を使った独特のマッサージがあるそうだ…」
そんなウワサを聞きつけて、オレのアンテナがビビッとなった。
そういえば、いつかそんなシーンをテレビで見たことある。
お笑い系のタレントが、台湾のマッサージ店を訪れ、寝台に横になったら、大きな出刃包丁のようなものを持ったマッサージ師があらわれ、
キャー!
…と絶叫しているような紀行番組だ。
見ている方もひやひやで、タレントのリアクションも面白いので、たしかにこの包丁マッサージ、テレビの紀行バラエティとしてはおあつらえ向きである。
あれって、ホントに痛くないんだろうか?
マッサージの最中に、間違って切れたりしないんだろうか?
「あっ、ごめん手がすべった!」
その瞬間、片方の腕がポロリ、血がドピュー!!!
…みたいな。
まさか…
家族で台湾旅行
そしたら、ちょうどいいタイミングで家族で台湾旅行をすることになった。
まぁ、どうせ台湾に行くんだったら、ものはためしで、この包丁マッサージとやらでも受けてみよう…という気になった。
そんな気軽な気分で、「先天世界刀療易経教育中心」なるところへ、メールを出したら、あっさり返事が返ってきた。
「歓迎します。名前と生年月日と写真を送ってくれ。」
…とのこと。
どうやら写真から出ている「気」から、どのマッサージ師が合っているか、あらかじめアレンジする…らしい。
ムッムッ?これは少し怪しいぞ…
包丁マッサージ店の門をくぐる
オレたち一行(オレの家族3名+友人1名)は、約束の日に、台北駅の地下から地上に出てすぐのところのビルの一角にある、そのマッサージ店の門をくぐった。
玄関で靴を脱ぐと、いきなり20畳ほどの畳の部屋があって、静かなヒーリング系の音楽が流れていた。
部屋の隅には、ガラスケースに入った、石がいくつも並んでいる。
後からわかったことだが、これは台北の北にある陽明山に落下した隕石で、ものすごいパワーがあり、包丁マッサージに使う包丁を浄化する役目があるとか…
スタッフの女性が、
「この石に手をかざしてごらん」
と言うので、言われたままにしてみたら、たしかに手のひらがピリピリと熱く感じた。
ふだん、スピリチュアル系には鈍いこのオレでも、ピリピリ感じるぐらいなので、もしかしてこのパワーはホンモノ?
包丁マッサージをはじめる前に、身体をほぐすストレッチ運動がはじまった。
太鼓のバチのようなものを両手に持ち、スクワットしたり、おおきく両手を広げたりする運動だ。
何も知らない人が傍から見ていると、さしづめ太鼓奏者の準備運動みたいに見えるだろう…
途中、互いに、背中や後頭部に手をかざし合って、相手から出ている「気」を感じ合ったりした。
オレもためしにやってみると、たしかに、手のひらが熱くかすかにビビッとしびれるのを感じた。
スタッフの女性は、相手が発する「気」から、その人のさまざまな情報を得ることができるみたいで、オレの背中に手をかざしただけで、こんなことを言った。
「あなたは非常にポジティブな人ですね」
「アートの才能がありますね」
「(そこそこの年齢だけど)身体も心も若々しい。まるで18歳ぐらいだ(笑)」
どれもオレ的には「そのとおり!」と思い当たることばかり…
もしかして、この人のパワーもホンモノ?
一方、妻に対しては、
「今の仕事は合っていない」
「腰痛に気をつけた方がいい」
「あなたには、宝石や石を読み取る力があるので、そういった仕事に転職した方がいい」
それを言われた妻は、
「まさしくそのとおり」
とばかりに、強くうなずき、
「早く今の仕事から足を洗わなきゃ!」
オイオイ、今すぐ辞められたら、生活に困るじゃないか…
さらに娘の方は、
「アイスや冷たいものの食べ過ぎ(笑)」
「もっと身体を動かしなさい(いつも運動しないでスマホばかり見ている)」
「腰の部分の気が開かれれば、イルカと会話?できるようになります」
これも、いちいち心当たりのあることばかり。
いよいよ包丁マッサージのはじまり
そんなこんなで、約1時間近く、前段のストレッチが完了すると、いよいよ本番の包丁マッサージだ。
オレたちは、診察台のようなベッドが並んでいる隣りの部屋に移動し、各自指定されたベッドにうつぶせに横たわった。
あらかじめ日本から送った写真から発する「気」によって、アレンジされたマッサージ師が、それぞれのベッドにやってきた。
すべて女性ばかりで、オレの担当は、30歳ぐらいの若い女性マッサージ師だ。
最初は、身体をときほぐす、フツーのマッサージから始まった。
10分ほど経過しただろうか?だんだんリラックスして気持ちよくなってきたころだ。
ついにアノ出刃包丁のようなものが登場した。
マッサージ師の両手には、まるでホラー映画にでも出てきそうな刃渡り20センチは超える大きな包丁。
まさか、血がドピュー!なんてことはない…ってわかっていても、身体が思わず身構えてしまう。
「台北で包丁マッサージを受けた日本人男性、マッサージ師のミスで動脈切断、出血多量で死亡!」
そんな新聞記事の見出しが、一瞬頭をよぎった。
そしていよいよ包丁マッサージがはじまった。
包丁の刃の部分が身体にふれるたびに、びくびくと身体が震える。
キャー助けてくれ~
心の中で叫ぶ、臆病なオレだった。
でもご安心あれ。
包丁は、肌にじかに触れるのではなく、身体を覆うタオルの上から、野菜でも刻むように軽くトントンされるマッサージだ。
たしかに、ズシリとした鉄の重みを感じるが、痛みはけっしてない。
むしろ、包丁にトントンとリズミカルにマッサージされるたびに、その刺激が身体の芯まで伝わるようで、通常のマッサージにはない心地よさがある。
あまりの気持ちよさに、いつの間にか意識が遠のき、すっかり寝入ってしまった。
トントンと肩を叩かれ、気がつくと約1時間のマッサージが終了していた。
身体も心も解きほぐされたようで、とてもリラックスしたいい気分だ。最後に、包丁を手にしたマッサージ師さんと記念写真をパシャリ。
今回の台北旅行の忘れられない思い出になった。
皆さんも、台北へ行く機会があったら、この包丁マッサージをぜひお試しあれ。
Rm. 5, 7F., No.41, Sec. 1, Jhongsiao W. Rd., Jhongjheng Dist., Taipei City 10041, Taiwan (R.O.C.)
天成 忠孝西路一段41號7F
行き方:MRT台北車站駅からM7出口を出てすぐ。COSMOS HOTELの入っているビルの7階。
包丁マッサージの料金:ひとり1500NTD。所要時間は2時間。