カンボジア旅行記(2)トラックの荷台に乗る
ピックアップトラックは危険がいっぱい!
オレは、人と荷物とが山積みになったトラックの荷台にしがみついて、砂塵舞い上がるデコボコ道をひたすら西へと向かっていた。
特に目的地があるわけではない。
このトラックに乗ること自体が目的なので、とりあえず隣の村を目指しただけだ。
猛スピードでトラックをかっ飛ばす運ちゃんは、どうやら自分の目の前に他の車が走っているコト自体が、
許せねぇ! 追い抜いたれ!
と、言う性質(たち)のようで、なりふり構わず、びゅんびゅん前の車を追い抜いていく。
時々、前方からやはり猛スピードで迫る対向車とあわや正面衝突しそうになる。
そのたびに運ちゃんは間一髪のところでハンドルを切り、トラックは急激に横に旋回する。
荷台のヘリに座ってしがみついているオレは、あわや振り落とされそうになる。
ひゃっほっ~!
こりゃ、ヘタな遊園地のアトラクションよりずっと迫力があるぜぃ!
イェ~いっ、イケイケ~
・・・とオレの方もアドレナリンびんびん状態で心の中で叫んでいたら、
ナナっ!何と、荷物を満載した大型ダンプが道路脇にドデンと横倒しになっているではないか!
げげっ・・・!追い抜きに失敗したら、こうなるってこと?
オレは思わずキモを冷やしたぜ。
村に到着する
シェムリアップの町を出発しておよそ3時間、荷台のヘリに座っているケツの方もそろそろ限界になってきた・・・
すると、道の両側に店が数件立ち並ぶ、ちょっとした村のような所で、突然トラックが停車した。
まわりのカンボジア人たちがオレに向かって口々に何かを言い始めた。
どうやらオレは目的地に着いたようだ。
オークン!(ありがとう)
とみんなに叫んで、オレは荷台からドテッと飛び降りた、、、と言うか、落ちた。
人と荷物を満載したトラックはふたたび砂ボコリを巻き上げ、オレひとりを残して去っていった。
オレが降り立ったところは、小さな店が数軒と静かな僧院があるだけの何の変哲もない田舎の村だった。
一応、端から端まで歩いてみたが、ものの15分もかからない。
オレが所在なげに、目抜き通りらしき道をぶらぶら行ったり来たりしていると村の衆は、
「なんでこんな村にガイジンが来るだべさ?」
と、奇異な目でオレを見る。
そろそろ腹が減ってきたので、オレは古ぼけた食堂らしき店の軒をくぐり、
「ナンカ食わせてくれりょ~」
と店の女主人にジェスチャーで訴え、ナベに煮えているいくつかの怪しげな料理を指さした。
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