画家、ボルネオ島へ行く(5)サピ島でシュノーケリングとパラセーリングとトレッキングに挑戦!
コタキナバルのウェットマーケット
ブルネイからマレーシア領のコタキナバルに戻り、港に近い小さなホテルにチェックインした。
8時間におよぶ、国境を越える「スタンプラリーのバス旅」でめっぽう疲れて、腹が減った。
…で、オレは、部屋に荷物を降ろすとさっそく、コタキナバル名物のウェットマーケットに駆け込んだ。
ここはコタキナバル最大のシーフードグリル屋台街。
海に沿って屋台がびっしりと立ち並び、さまざまな海産物が並んでいる。
「よっしゃ~今夜はサザエのつぼ焼きでも食べるか、、、」
と意気込んだが、並んでいるのは、極彩色のオドロオドロしい南洋のサカナばかり。
そんなグロテスクなサカナの目を見ていたら、かえって食欲がゲンナリ萎えてしまった。
結局シーフードはやめにして、中華料理店で無難にフィッシュボールヌードル(つみれ汁)を食べることに。
オレの胃は意外と繊細なのだ。
ホテルに戻ってからは、久しぶりにお絵かき。
タイトルは「ウルトラマンダラ」。
すなわち、ウルトラマンに登場する怪獣たちを曼荼羅風に並べた落書きをする。
それにしても、なんで、ボルネオ島まで来て、ウルトラマンなの?
自分にもわからん。
サピ島へ
さて、翌日は、コタキナバルの港からボートで15分の所にあるサピ島へ出かけることにした。
コタキナバル沿岸には、マムティック島やマヌカン島など全部で5つの離島があり、どれも気軽に日帰りで往復することができる。
サピ島は、この中でも、港(ジェッセルトンポイント)から最も近く、海がキレイなことで有名だ。
オレは、このサピ島で、3つのアクティビティに挑戦することにした。
シュノーケリングとパラグライダーとジャングルトレッキングである。
サピ島でシュノーケリング
まずは、1番目はシュノーケリング。
サビ島の海はとにかくキレイで、陸の上からでも熱帯のサカナがいっぱい泳いでいるのがよ〜く見える。
「こんなところでシュノーケリングしたら、まるでサンゴ礁を泳ぐサカナを写した水中写真みたいな風景が見えるに違いない」
オレは期待して、海に飛び込んだ。
しかし、ここへ来て、なんと自分がド近眼であることをすっかり忘れていた。
メガネをとったら魚が見えないし、メガネをかけたまま強引に水中メガネをしてみたらすぐに隙間から水が入ってきてしまう。
せっかくレンタルしたシュノーケリング用具一式も、わずか30秒で無用の長物に。
トホホ。
オレはすっかりふて腐れて、しばらく砂浜に寝転び、キャピキャピはしゃいでいる中国人カップルたち(コタキナバルには中国人ツアー客が多い)をうらめしそうに眺めた。
サピ島でパラセーリングに挑戦!
さあ、気を取り直して、次なるアクティビティはパラセーリングだ。
港に停泊している小さなボートに乗ると、オレは沖まで連れていかれた。
この日は幸運にも適度な風が吹いていて、絶好のパラセーリング日和。
オレはライフジャケットとハーネスとパラシュートをつけられ、二人がかりでホイ!と宙に放り投げられた。
ボートが走り出すと、とたんに自分の身体がフワッと大空に舞い上がった。
あれよあれよという間に、眼下のボートが遠ざかっていく。
いったいどの位の高さまで上がったのだろう?
気がついてみたらボートはオモチャのように小さく見え、先ほどまでいたサピ島や他の島々までが、空を飛ぶ鳥になった視線で俯瞰することができた。
その時、オレは
「これは凧揚げと同じだ」
と、思った。
昔の人気TVドラマ「仮面の忍者赤影」(古い!)の白影みたいに、ホントに忍者が凧に乗ったのかどうかは知らないが、もし凧に乗れたとしたらきっとこんな気分なんだろう。
サピ島トレッキングで大トカゲに遭遇!
そして最後のアクティビティは、トレッキング。
サピ島には、島をぐるりと一周するトレイルがある。
トレイルはジャングルの密林、海岸線、起伏のある丘、、、と実に変化に富んでいて、一周するのに約1時間かかる。
オレはこのトレイルに、あろうことかクロックスのサンダルで挑んだ。
しかもホンモノではなく、そこらの百均で300円で買った”なんちゃってクロックス”だ。靴がないので仕方がない。
オレは最近は、年がら年中サンダル履き。
海外旅行でさえサンダルという有様なのだ。
オレは真っ青な海と空を眺めながら、しばらく海岸線を歩いた。
道は曲がりくねって、今度はうっそうとしたジャングルの中に吸い込まれていった。
その時だ。
右手の茂みからゴソゴソと音がした。
すわっ!猛獣か!
と驚いて、音の方角を眺めると、ワニのようにでっかいトカゲがいるではないか!
これぞサビ島名物のモニターリザード(ミズオオトカゲ)。
このトカゲ、見た目は恐竜のようにグロテスクだけど、意外とオクビョーで、めったにヒトに危害を加えることはないらしい。
サピ島の砂浜でBBQをやると、ニオイにつられてゴソゴソ集まってくることでも有名だ。
まあ、この大トカゲちゃんに出会えたことだし、今日はこれで良しとするか。